なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

背中のぬくもり

一人のろのろと変な時間に買い物に行く。娘は今日、具合がよくない。外出の疲れからか、昨日くらいから寝てばかりいる。少しでも消化にいいものをと近所のドラックストアとスーパーが一緒になった店に行った。人はまばら。小さい子を連れた若いお母さんや、おじさんくらいしかいない。

ヨーグルトやプリンなど、つるりと食べられるものや、うどん玉、蒸しパンなんかを買う。野菜も少し小さくカットされたものにする。昔はキャベツなんて1玉買っていたけど、今は4分の1カットのもの。台所に立つ時間も少なくなった。昔は一日中台所にいた。料理もキライではないけど、今は作っても余ってしまうからあまりしなくなった。なんだか淋しいような気もする。台所が生き生きしていない。自分もそうなのだから、台所もそうか・・・。子どもが小さい頃は、お菓子やパンも手作りしていた。うまくはなかったけど、自分が子どもの頃して欲しかったことを娘にしたつもり。今はしんとした台所。

台所に立つ時間は減ったけど、それでも自分が手を使って、少しでも料理をすることにしている。便利なものに助けられながらでもだ。手から伝わる気持ちや”気”はあると思っているから。

夕方の5時に鳴る夕焼け小焼けを聞きながら、台所に立つ。

ふとぐずる娘をおんぶして、台所に立つ若い自分の姿を思い出す。背中にぬくもりをくれた娘は今、大人になり布団で寝ている。小さくサイズダウンした鍋やフライパンを出しながら、まだ、誰かのために料理ができる環境に感謝した。