なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

青い自転車は時を越えて

中学生の時、自転車を新しく買ってもらった。自転車通学になったし、学校で色々な行事があり必要だからだ。みんな白い色の自転車だったのに、私一人青色の自転車だった。校則違反でもないからOKなのだけど、私に相談もなく勝手に母が購入した青い自転車。可愛かったけど、そんなことで目立つのも何だか嫌だった。人と違う特別な自分、センスのある自分みたいなものにまたがっているのがすごく嫌だったのだ。だって、自分は特別でもないからだ。それを自分が一番分かっていただけに毎日その自転車で学校に通うのはつらかった。

時が経ち、娘が中学になった時、私と夫は娘に相談もせず、いつもお世話になっている主にアウトドア用の自転車を扱うお店に自転車を注文した。紺色でT字ハンドル、ギアが5段階と、他の子とは被らない自転車。荷台も細く、カゴも小さく、スタンドは片足と中学で乗るには使いにくい仕様。なんでその自転車を勝手に買って娘に押し付けたのか、今となっては分からない。その自転車を文句も言わず直しながら社会に出るまで10年乗った娘。

昔されて嫌だったことを娘にしてしまっていた自分に今更ながら気が付いた。本当にごめんね。でも何でなんだろう?しかも同じ青い自転車。不思議なこともあるものだ・・・。