なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

明るい方へ

久しぶりに行ったコーヒー店。以前はよく行っていた。娘も私も元気だった頃は休みの日よく利用していた。とりとめのない話をし、ひとときそこに身を置くことで救われていた日々。ほんの少し前のことなのに、ずいぶん昔のような気がする。変わらない店内、変わらない味。変わってしまった自分達。前が幸せだったのかと言えばそうではないのだから変わってしまったことに対しては不幸だとは思っていない。ただ前と同じようにしていたのではいけないのだと強く思う。答えの出ない会話。いくら考えたところで毎回あいまいな終わり方をしてしまう2人の話。

今はそれでいいのだろう。一年前と比べればこうしてまた外出できるまで回復しているではないか。窓の外に見える隣家の白い壁に伸びる青い雑草が夏を感じさせる。少しずつよくなっているんだ。焦らずとも幸せな道を一歩ずつ歩んでいる。その歩幅は小さくとも確実に前に進んでいるに違いない。青い葉が茶色く色づいては枯れ、そしてまた芽吹きと自分達も同じように新しくそして成長している。雑草はどっちに向かって伸びようなんて思っていない。ただお日様に向かって純粋に手を広げているだけ。私達も明るく暖かな方へ手を伸ばしのびていけばいいのだ。ただそれだけのこと。