なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

小さなものからもらった大きな気付き

小さなアリが突然、家の中に数匹現れた。

娘が慌てて殺虫剤を買いに行っている間、私は床を拭きながら無力感に襲われ、「また」とつぶやく。家の中が上手くいかなくなってから、時々アリを家の中で見るようになった。スピリチュアル的な見方をすれば、家の中が淀んでいるのかもしれない。それを受け私はいつもその状況をどうにかしたくて、掃除片付けをする。

この10年余りその繰り返しだった。だが、今はもう十分に家はピカピカで、物も少ない。これ以上いったい何をしろというのだろう。家のために私達は掃除片付けに追われ、好きな事をする時間を奪われている。

全てのものに意識があるのなら家に一度聞いてみたい。

毎日掃除をし風を入れ、庭を手入れしているのに、これ以上まだ、もっと、というのなら、もうやめてもらっていいですか?・・・と。感謝の気持ちがまだ足りないのですか?・・と。あなたの欲求に終わりはありますか?・・と。心の奥に押し込めていた気持ちがアリをきっかけにうわ~っと出てくる。やり場のない怒りと悲しみそしてやっぱり、変わりたいという気持ちがない交ぜになる。

そして思う。もう身をすり減らす生活は今日で終わり。変わりたい。私達は生きている。家に意識があったって物は物。その物のために身を捧げる人生なんて、変だと思う。手放して自由になるその時が来たと思う。そう維持するのではなく、手放す時が。

家が私の気持ちを聞いているのなら、何度でも私は言う。「今日でサヨナラだ」と。

サヨナラ。