なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

石鹸と女子力

学生の頃、ミニマリストへ憧れていた。ミニマリストのマインドや哲学なんて、度返しで、とにかく持ち物を減らそうとしていた。

そのひとつに、シャンプーとリンスがある。シャンプーとリンスの使用を一時的に止め、石鹸で髪を洗っていた。石鹸でいけるか試していたのだ。ほとんど、何の変化もなく、毎日楽だなと思っていた。

ある日、友人に「最近石鹸で髪洗ってるんだ~」とドヤ顔で言った。なんで、言ったのか分からない。きっと、すごいだろう、先を行っているんだぞと上から目線だったのだろう。恥ずい。すると友人が、「何してるの、シャンプーで洗いな」と言ってきたのだ。でも自分は、めげずに「石鹸でもシャンプーでも髪質変わらないし」とまたドやったのだ。

それから家に帰り、冷静になる。やっぱりシャンプーで洗った方がいいのか、と。石鹸で済むのなら間違いなくそれが楽だし、いいと思う。友人は石鹸が悪いのではなく、女子力的な面で、適当に洗ってんなこいつと思って、そう言ってきたのだと思う。それから、シャンプーに戻した。

ものを減らすということだけに執着しすぎていたのだ。形だけに捉われていては、大切なものも見失いかねないと思った。