なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

再読の果てに

昔、読んだ本をもう一度買い直して読んでみた。うまくいかないときや、つらい時はそうなってしまった頃に戻って原因を探るといいと何かの本で読んだからだ。当時に戻ろう。とりあえず手に入るものを買い戻してみた。自分がそのとき、何をいいと思っていたのか、どうしたかったのか、こんがらがる前はどうだったのか?ずいぶん月日が経ってしまったからもう全く分からない。本を読んで少しでも当時の自分を思い出せたらいいなと思った。

日々をていねいに暮らしている人のエッセイや料理に関するもの、健康本、小屋の本、ミニマリストの本にスピリチュアルなど、ジャンルは色々だ。読み直してみると、自分は静かに小さく自然の中で暮らしたかったのではないかと思った。当時は田舎でないと出来ないと思っていたそういう暮らし方も、今では都会でもできるし、今住んでいる所でもやろうと思えば可能だと思っている。

だったらこの本はいらないなあ。料理の本もアレルギーにがひどくなって食べられるものも限られてきたからもういらないかも。そうやって再読して自分の心と本を整理していった。もう広げるのはやめて深める時期に来ているのかもしれない。もっともっとと今までは求めていたけれど、一旦やめにしようと思った。

そうやって静かに暮らしたかっただけなのに、何かにならなければ価値がない、ダメだと思い始めどんどんズレていった。その頃は、ただ自由になりたくて、行動すればするほど元に戻れと押さえつけられたから、何者かになれば、色々と言われないのではと思ったのかもしれない。

自分は一体何になりたかったのだろう?本当は単にそのままでいいんだよと誰かに言ってほしかっただけなのに、言ってもらえなかったから、認めてほしくて必死だったにかもしれない。今となっては、そんな事は自分が自分に言えば良かったのだ。「よく頑張ってるよ」って。今回、本棚に少しあった本もついでに思い切って処分した。するとすごく軽くなってスッキリした。とらわれから開放され、少しだけ自由になり、本来の自分を取り戻せた気がした。人の人生はもういい。自分の人生を生きたい。自分の人生の物語をこれからたくさん作ればいい。そう思うようになった。