なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

10カ月ぶりの散髪

やっと行けた。

歩いて数分の所にある美容室。予約を取り時間通りに向かう。

気心の知れた先生なのに行くことができずにいた。娘に切ってもらったり、セルフで切ったりと、ショートカットだった私の髪は短めのボブまで伸びていた。髪も少し前から染めるのをやめていたから、白髪まじりだ。

シャンプーが終わり、ケープをかけられ、てるてる坊主みたいな私が鏡に映る。

老けたなあ・・・。ガクッ。

人と話したり、触られたり、自分の姿を見られたりしたくなかった。大きな鏡に映る自分を直視できるかも不安だった。でも、もう限界だったから、勇気を出してみた。

先生におまかせして短かくなった私の髪。先生が「いいと思います」と言った。私も「いいと思います」とオウム返し。鏡に映る自分に少し元気を感じる。

途中、先生の飼っている犬が奥から出てきた。もうだいぶ年をとって目も少し悪いみたいだ。それでも若い時と同じように、私の足元を鼻でツンツンしてあいさつしてくれている。先生が「年をとったから、いつも寝ているのよ」と言うので私も犬の方を見る。私は「しんどいときは、寝てもいいと思う」と犬に言ったら、犬が大きく2回頷いた・・ように見えた。そして、奥に入ってしまった。

先生が私の元気のなさを気遣って、さりげなく帰り際に声をかけてくれた。

「自分の心が上がる事をして自分が楽しくなるように過ごしてね」と。

先生と犬に励まされた私。辛い思い出を含んだ毛先は、カットされ軽くなった頭。ありがとう先生・・。