なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

幸せのシマシマ靴下

靴下を買った。手のひらにちょこんとのる、小さなシマシマの靴下だ。

手編みであることは、一目で分かった。味のある形をしていたからだ。大量生産されたものではない、手仕事の温かさが伝わってくる。最近特に、物の発するエネルギーを大切にしている。だから手に取ったときの感覚を大事にし、物を選ぶ。

この靴下はセールのところに一つだけ残っていた。モコモコしたファーの袋や何かと一緒に。手に取ったとき、作った人の一生懸命さが伝わってきた。とても優しい気持ちも同時に感じた。6色も糸を使い、シマシマに丁寧に編まれた靴下。たぶん、クリスマス用の飾りではないかと思う。

世界に一つだけの靴下。

でも売れ残ってしまって、ぽつんとしていたこの靴下にひかれたのは、作り手の気持ちが伝わってきただけではなく、世間の枠から少し外れてしまって、ポツンとしている自分たちを無意識に重ねていたからかもしれない。私がこの靴下をかわいいなと思って購入し、家に持って帰ったように、私たちのことも今のそういう違いを含めて、受け入れてくれる場所があったらいいなと思った。

そんなことを思いながら、壁にピンで飾ってみる。何かすごくしっくりくる。クリスマスの靴下のエピソードみたいに、コインが偶然入ることはないかもしれないけれど、何かすごくあったかいものが、この靴下にはすでに入っている気がした。娘も「母さん、この靴下なんかいいね。」と言ってくれた。私もそう思う。