なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

マスター”ぼーっ”への道

平日のショッピングモールのフードコート。人はまばらだ。

テストで学校が早く終わった学生や年配のご夫婦、サラリーマンらしき人など、それぞれ好きな物を食べたり飲んだりしている。私も娘も疲れてひと休み。コーヒーとフライドポテトをつまみながら、ぼーっとする。

娘がダウンしてからは、よく買い物の途中で休むことが増えた。買い物もできずに帰ることもある。だから最近はこうして先に休むようにしている。一人で平日に買い物に来ていた時は、足早に用事を済ませ帰っていた。だから、平日のフードコートには、ほとんど来た事がなかった。たぶん一人で休むことなんて、一度もなかったと思う。

周りを見渡してみると、みんな上手に休んでいるように見える。ドーナツの箱を持った女性がコッソリ我慢しきれなくなって、ドーナツを頬張っていたり、本を読んで一人静かにコーヒーを飲む人、友人同士空いた器もそのままに夢中でおしゃべりしている人など・・・。

私も休めばよかったなと思った。娘もだけれど、なにか休むということに罪悪感があったのかもしれない。娘は子供の頃、夏休みなどの長期休みになるといつも「暇だ。母さん何かやることない?」と言っていた。私は、色々暇つぶしの方法を提案しては一緒にしていた。でも今ならこう言う「ぼーっとしとけ。脳を休めときなさい。休むのは悪いことじゃないよ。」と。ぼーっとすることも仕事のうち。

情報量が並みじゃない現代で、これも立派な仕事だと思う。自分で自分を守らねば。働けなくてもコーヒーを飲んで休んでもいいんだよ。少しくらい立ち止まったって大丈夫。置いていかれたりなんかしない。だから、ちょっと休もうよ。

ポテトの塩気に手が止まらず、手も口も忙しかったけれど、ぼーっとするのも本当に大事だなと思った。ぼーっの達人になりたい。マスター”ぼーっ”、なんかかっこいい。