なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

ストップボタン

ショッピングモールまで歩いて行った。片道1時間。さすがに帰りも歩きは無理だ・・。しんどい。買い物をして荷物もあるしなあ・・そうだバスに乗ろう。

発車時間より少し前にバス乗り場のベンチに座る。ベンチの隣には買ったばかりのまちがいさがしを家に帰るまで待ちきれないとばかりに解いているおばあちゃんや柿の種を美味しそうに食べている若い男の人などがいて、平日のおやつどきならではののんびりした空気が流れている。娘と私、長い人生の中で少しのんびりした時間を神様にもらったのかもしれないなあとふと思う。焦りや不安はあるけれど、今はこれでいいのだろうと自分に言い聞かせる。今日は帰ってから楽しみにしているものが2つある。1つはシュークリーム。新しくお店が出来たので、2つ買ってみる。カスタードクリームがたっぷり入ってて美味しそう。もう一つは、ガチャガチャでゲットしたバスストップボタン。ボタンを押すと、ライトが光りアナウンスが流れるという本格的なものだ。帰ったら、ボタンを押して、アナウンスを聞いてみよう。帰りのバスの中でかばんからそっとガチャガチャのバスストップボタンを出して本物と見比べてみる。ほとんど同じ。すごいなあ・・。

家に帰り、ボタンを押すと、光ってアナウンスが流れる「お降りの際、車内にお忘れ物のないようご注意願います」。うーん忘れ物はたぶんない。今は途中下車しているけれど、次はもっとのんびりとしたバスに乗ろう。頑張りすぎ、急ぎ過ぎたのだ。みんなとは違う行先のバスでもいいではないか。買って帰ったシュークリームを頬張りながらそんなことを思い、またボタンを押す。ピンポーン。なんかいいなあ・・・。