なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

やさしい泡に包まれて

「母さん、顔白くない?」とお風呂から上がって化粧水をつけようとしている私に娘が言う。「そう?」と鏡ををじっとのぞき込んで自分の顔を見る。確かにいつもより白い気がする。子供の時からそばかすが顔にあり、日に焼けやすい私はどちらかと言えば肌は浅黒い方だと思う。日に当たらない所は白いから根っから黒いわけではなく、たぶんUVケア不足、つまりうっかり過ぎる日焼けのせいかもしれない。

何かいつもと変わったケアをした訳でもないのになあとお風呂での自分の行動を振り返ってみる。あっ、そういえば洗顔フォームをいつもより丁寧に泡立てて顔を優しく洗ったかも・・と思い出した。娘に言うと「え~っ、いつも汚れ取れていなかったんじゃない?」と少し引かれながら笑われた。

洗顔フォームをきちんと泡立てて優しく洗う時間すら持てなかった子育て時代。いつも忙しく自分のことは後回し。日焼けも気にせず子供と外で遊んだ毎日。今、娘も大人になり自分の時間は昔より持てるはずなのに、相変わらずバタバタしている。何事も丁寧に優しく、もう少しゆっくりしたら?顔の汚れの取れたピカピカの私が鏡の中で嬉しそうにそう言う。明日から前より丁寧に優しく泡立てて顔を洗おう。自分を喜ばせてあげよう。小さな喜びはいつしか大きな喜びに変わっていく。そう小さなことから確実に人生は変わっていくのだから。大げさかな?