なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

適材適所

娘が母の夢を見た。私の母は数年前にもう亡くなっているのだけど、夢では元気に働いていたらしい。ディスカウントストアでポップを飾って自分なりに頑張っている様子だったと娘が話してくれた。それを聞いて私はなんか母にぴったりの仕事だって思った。

母はプライドが高くそれゆえ自分の生きる世界を狭めているような所があった。本当はもっと生き生きと人生を楽しめる道があったのに母の最期の孤独の姿を思うと自分に合っていない環境で生きることは本当につらいことなのだと改めて思う。

そしてそれは私にも全く当てはまる。もしかしたら、娘の夢に出てきて私にそのことを教えてくれようとしたのではないかと思った。父の工場の手伝いくらいでほとんど外に働きにいかなかった母。でも社交的で人当たりはよかったし、私と違って目鼻立ちもはっきりして愛想もよかったから、サービス業に就いていれば、本人も得意なことで生きていけたのではないのかなと思った。生前、私は時々そんなことを母に言っていたけれど、母は「そんなの無理」と言って、生活を変えようとはしなかった。若い頃に仕事で苦労した記憶があったのだと思う。

でも、若い頃にダメだったからって今もダメな訳ではない。たまたまそのときに就いた仕事が自分に合わなかっただけなのかもしれないのに、働く事が全てダメという風になってしまったのは、とても残念だ。母の姿に私も自分を重ね、自分で自分を縛り付け、苦しめていることにはっと気が付く。そう夢の中の母のように生き生きと自分達も生きられるところがきっとあるはず。世の中の幸せの定義と自分達の幸せが合うとは限らない。もっと自由に考え、自由に生きていきなさい。そう母が言ってくれているような気がした。