なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

枯れた井戸

朝から激い頭痛に襲われた。頓服薬をちゃんと2時間あけて2回服用したけれど全く良くならない。吐き気もする。西洋医学は一つに症状に一つの薬。また吐き気止めの薬も飲んだ。薬ばっかりもういやだなぁ・・。飲み込むのもつらい。横になってもズキズキする痛みに眠れそうもなかった。長い一日。夜になり娘も寝る時間。私も少し寝ていたらしく夢を見た。

10代の頃付き合っていた彼が出てきた。楽器を弾ける彼がサークルのようなもので講師をしていた。数人の生徒に教えているみたい。私は懐かしさからそのサークルに入ろうって思った。するとどこかから声がする。「そこじゃないよ」と。心の声のような斜め上からの声のようなとにかくはっきりとした声だった。はっと気が付いた私が、そのサークルから立ち去ると今まで生き生きとしてカラーだったその景色が灰色になり急に遠くなった。

そこで目が覚めた。夜中だ。トイレに行くと少しフラフラする。薬がとってもきつかったのだろう。くらくらする体、痛みと戦っているのか少し熱っぽい。それとは対照的に頭は冷たく妙に冷静だ。私は過去に戻りたい訳ではないんだな・・・とはっきり自覚した。いくら今がつらく逃げ出したいからと言って、タイムマシーンに乗って過去に戻ったからって上手くいかないことは百も承知だ。じゃあどうしたいの?自分に問いかけた所で答えは出ない。熱い目元。なぜか涙も出ない。枯れてしまった井戸みたいに石を落とすとカランカランと乾いた音を立てる私の心。水が再び湧いて満たされる日は来るのだろうか?分からない。