なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

ふるさとの星に帰りたい

母さん、あの・・ほら両手を引かれた宇宙人の写真あるやろ。ニセモノの奴。あの宇宙人みたいやったよ母さん。病院から帰った私に少し申し訳なさそうに話す娘。分かるわ・・。あの写真だろ・・トレンチコートのようなものを着た外国の男の人2人の真ん中に小さな宇宙人。有名な写真だ。言われて分かる私も私だが、それに例える娘も娘だ。そういう方面も好きな2人。だが、その時の私は激しい頭痛に見舞われて何日も苦しみ娘に病院に連れていってもらったばかりだった。本当に歩けないくらいだった。病院の先生に言われてMRIを撮ることになった。フラフラな私は看護師さん2人に大丈夫ですかと声をかけられながら、肩を担がれ連れていかれた。その時の様子を見て、娘は言ったのだった。

脳に異常はなくて安心した。ただストレートネックだから首や肩が凝りやすく、そういう所から頭痛がきているのかもしれないと言うことだった。へっ?ストレートネック・・レントゲンを見ると団子の串みたいに真っすぐの首が写っていた。笑ってしまった。頭が痛すぎて何もかもおかしい。笑。娘は待合室で待ってくれていたが、私はこの可笑しさを共有したかった。おもろ。母さんの首真っすぐやん・・。頭が痛すぎて変になった私にも、先生はやさしく対応してくれ片頭痛の発作時のとんぷくと薬を出してくれた。

激しい頭痛でいつも吐いてしまう。床にうずくまり娘が帰ってくるまで、倒れていたことも一度や二度ではない。私のそんな姿を小さな頃から見慣れている娘も今回はとても心配したようだ。そんな冗談を言いながらも異常がなくてよかったと言っていた。とんぷくが少し効いて楽になってきた。自分もある意味宇宙人かもしれない。地球にいつまでたっても馴染めない。両親のことも小さな頃から本当の親じゃないと思っていた。自分にふるさとの星があるのなら帰りたいなあ・・布団に横になりながら少し思った。