なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

一人だけの宇宙

小学校の低学年の頃の事、私はゴザを丸め団地内の公園によく行っていた。ゴザを敷いて座るのではない。公園にある一本の木にゴザを着せるようにまわし、ゴザの両端部分を近くのフェンスにひもでくくる。そうすると、コの字状の空間ができるのだ。

そう一人だけの空間。

そこで何をする訳でもない。じっと座って何か考えたり空を見たり・・・一人になりたいときの緊急避難場所のようなもの。だから、そこに友達を呼んだことは一度もない。

家にいないときで友達と遊んでいないときは、大抵そこに居た。それが証拠に母は用事があるとき、そこに私を呼びに来ていたのだ。少し暗くて狭くて、でも空は見えて、一人でいられるけど、フェンスから人の気配を感じられる。そんな空間。しばらくそこでじーっとして自分がもういいと思ったら、ひもを外し、ゴザを丸め家に帰る。そんな事をある時までよくしていた。

今思えば、バランスを取っていたのかもしれない。学校では集団生活をして、家では弟や友達と遊んでと常に人と関わっているから、疲れていたのではないだろうか。人と接するのは嫌いではないけれど、一人でいるのも私にとっては、大切な時間なのだ。めんどくさいけど、それが自分なりの自分の取り戻し方なのかもしれない。

それにしても、ゴザを丸め一人公園に向かう小学生の自分・・なんかシュール。