なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

若気の至り

高校生の私はその日、テストで早く学校が終わったから、友達の家に遊びに行っていた。電車で通っていたのだけど、なんせ田舎で電車の本数が少ないから時間をつぶさせてもらっていたと思う。

だらだらと喋っていたら、昼くらいになって、友達が、「焼きそば、食べない?」と言ってきた。私も「うん」と答え一緒に作ることにした。友達は台所の戸棚からラーメンの袋みたいなものを出してきた。

私は焼きそばといえば、チルドの麺のものを想像していたから、「?」となる。すると友達は、その様子を見て「食べたことないの?じゃあ、作ってあげる」と大きな中華用フライパンを取り出す。「私お腹減いてるから5袋全部作るわ」。「えっ5袋?」と私が言うと、「大丈夫やって、食べられるよ」と作り始めた。

しばらくして、中華のフライパンに山盛りにできた焼きそば。もちろんそんな大きな皿はないから、鍋敷きを置いて、フライパンごと食べる。一口食べて、すごくパンチが効いてて「おいしい」って思った。私の家では、焼きそばよりラーメンかうどんが多かったから、こんなおいしいものが世の中にあるなんて驚いた。でもそれも最初だけ。2人とも食べるペースが段々と落ちて、はしが止まる。

友達が「ばーちゃんが、残したら勿体ないって怒るんよ、食べて」と言う。いや~さすが5袋はムリかと思っていたら、ばーちゃんが内職の手を休め、台所に入ってきた。そして私に「よう、いらっしゃいました。焼きそばはお皿に出して食べなさいよ。」と言って、イスに座ってじっとにこにこしてこちらを見てくる。私と友達は目で合図しながらこれくらいなら残しても大丈夫だろうという量まで何とか食べきった・・・。フ~ッ。

若気の至り・・という言葉がピッタリの一日だ。