8割を捨てて、不思議なことがあった。
この家に引っ越して、いつの頃からか、冬はもちろん、冷房をつける夏でも、ニット帽を起きているときも寝ているときも被っていた。
だが突然、被らなくても平気になった。
あんなに頭から水を掛けられていたように冷たくて、辛かったのに。今では外出先でも帽子なし、家でもなし。こんなに嬉しいことはない。時々、頭痛はあるけれど、回数がグッと減った。なにか分からないけれど、ほんとありがとう。あの本に出会ってよかったなあ。
何かから頭を守り続けた17年余り・・・
こんなに劇的に、しかしあっけなく幕引きは突然来た。人生も同じかもしれない。
ずっと続くことなんてない。つらいことも苦しいことも、いつか必ず終わりがくる。
使い古された言い回しだけれど、本当にその通り。
だって私はこんな日が来るなんて、つい最近まで思っていなかったんだから。