なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

自分を生きる

先日、少し遠出をして買い物に行った。以前なら色々洋服やキッチングッズ、雑貨など、欲しいと思ったものを一つ二つ買って帰るのだけれど、今回私が買ったのは、お香二つ、それからインナー、以上。どれも日常必要なものだ。

物欲というのだろうか、それがほとんど無くなってしまった。かと言って以前、陥ってしまったように何もいらないと極端に走ることもない。程よく、落ち着いたとも言える状態。こんな感覚はいつ振りだろう。

「足るを知る」という言葉の意味を初めて実感した。そんな感じだ。極端にものを減らしすぎた時は、ガスの点検に訪れた人にも驚かれるくらいに何もなかった部屋。ものを捨てられないのも捨てすぎるのも同じで、執着に変わりはないと思う。

部屋イコール自分とよく言われるが、全くその通り。今は、必要なものは我慢せず、買い足しているし、いらないものはその都度処分し、”今”の自分の暮らしに合ったものがちゃんと揃うようになった。誰の目線でもなく、過去でも未来でもなく、”自分”が”今”必要と思えるもの、それが適度にあれば十分だとようやく、真の意味で分かったかもしれない。それは他人ではなく、自分を生きたい。そう思うようになったことも大きく関係していると思う。

たぶん、私は今まで他人を生きてきた。だから落ち着かず、いくらあっても足りず心のすき間を埋めるようにものを買い、部屋や身を飾り、そして処分してを繰り返していたのだと思う。自分じゃない自分を生きることほど苦しいものはない。いつも自分がそわそわして不安でつまらなかったのは、他人の人生を満足させるために生きていたからではないだろうか。なんかホッとした。もう無理しなくても大丈夫。私は私。シンプルだ。