持ち手のついたころんと丸いカゴと木の飾り棚を買った。2つとも小さめだ。最近小さい物がいいなあと思う。
カゴを買ったのには訳がある。家具のレイアウトを変えて、リモコンやメモなどの行き場がなくなったからだ。以前は少し大きめのカゴを置き、ゴチャっとしたものを入れていた。でもどうしても、何でもそこにポイポイ入れてしまうから、全捨離をしたときに、処分することにしたのだ。元を断つのが一番だからだ。
私は雑貨が大好きで、若い頃から部屋に飾ってきた。カントリーやレトロなど、その時々の自分のブームで行く先々でお店を覗いては、購入して楽しんでいた。自分で作ったりもしていた。
でも、色々な思い出のつまった、それらから発せられるものに耐え切れなくなってきた。これはあそこに旅行に行ったときに抱えて帰った瓶だな、とか、このアイアンのカゴは買ってもらったものだな、など・・なんだかつらい。そこで、思い切ってほとんど処分してしまった。殺風景な感じになったけど、そのときは何だか気分的にはスッキリしていた。
それからは、お店に行っても雑貨を目にしても買わないようにしていたし、あまり欲しいとも思わなくなっていた。処分したことがつらかったから、もうそんな思いをしたくないという気持ちもあった。
だけど、やっぱり大好きなのだ。人から見ると同じように見えるカゴや木箱でも、私からすれば全然違う。迷ったけど、買うことにした。これからは楽しい思い出を作ればいい。台所の細いカウンターに置いてみる。かわいい。なんだか部屋っぽい。そっけなかった部屋に人に気配を感じるような・・そんな感じ。木の飾り棚には何かを飾ろう。ガチャガチャのおもちゃがいいかな?それとも季節を感じるような物にしようかな?多肉植物にしようかな・・・と夢は膨らむ。
大好きなものは大好きでいいんだ。処分して初めて自分の好きが、分かったような気がした。