なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

家を守るものとのお別れ

時々、物置で会っていた。自転車を出す時や庭の道具を取りに行った時など、ちらっと姿を見かけては声を掛けていた。「逃げなくても、大丈夫、いつもありがとう」と・・・。ヤモリである。

漢字で書くと、「家守」「守宮」。どちらも家を守るという意味らしい。そのヤモリが庭で死んでいた。ヤモリが死んだ姿を私はあまり見たことなかったから、ショックだった。いつも物置で会っていたヤモリなのかな・・・?虫を食べ家を守ってくれていた頼もしいヤモリがいなくなってしまった。そっと土をかける。ぐずぐずのろのろしている私に愛想を尽かしたのかな・・・それとも家を守り切れなくなったのかな・・色々不安でネガティブな考えが頭をぐるぐるする。

家に入って少し調べてみる。色んな説があるみたいだけれど、私にぴったりくるのはヤモリが死ぬというのは、虫がいなくなるくらいに家がキレイになったという説と、ヤモリが働かなくてももう大丈夫になったよという説の二つだった。8割を捨て、毎日軽くだけど、家も掃除をしているし、庭もスッキリして虫が以前より少なくなったと思うから。

2~3日雨が降り続いて、オリーブの葉がたくさん庭に落ちて気になっていたのだけど、掃除できずにいた。雨の合間を縫って、落ちた葉を拾っていた時、ヤモリを見つけたのだった。たぶんヤモリの姿を見るために私は庭に出たのだろう。何事もメッセージなのだ。私が寝ている間に虫や色んなものを食べてくれて、昼間は暗い物置で休んでいたヤモリ。ヤモリの姿を見て、自分は色んなものに守られて生きているんだって改めて思った。でもいつまでの彼に甘えていてはいけない。大丈夫。前よりも2人とも強くなったと思う。今まで本当にありがとう。お世話になりました。