なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

自分は自分でいいじゃん

何か一つでも人に教えることが出来るくらいに得意な事があったらなあと思う。

その事を電車で偶然隣り合わせた女性に打ち明けたことがあった。すると、女性は「色々出来ることってすごいことよ」と返してくれた。そうか何か一つずば抜けた人だけがすごいとばかり思い込んでいたけれど、そういう見方もあるのかと思った。自分はそうじゃないからダメなんだと思っていたから、少し心が軽くなった。その女性に言わせると、「何でもそれなりに出来ることも、誰にでもできることじゃないのよ」と言うのだ。

その時私は色々悩んでいて電車に乗って料理教室に月一回通っていた。何か一つでも自信を持てるものが欲しかったからだ。でも教室の雰囲気が自分に合わず、しばらくしてやめてしまった。私は何でもなんとなく出来るまでは頑張るが、後一歩その先を目指し頑張ったことがない。だから、うすーく広くなんとなくという、中途半端な人間なのだ。職人や芸術家など、一つを極めた人に憧れるのは、そのせいかもしれない。人はそれぞれ役目や使命を持って生まれてくる。一つを極める人もいれば色々

オールマイティに出来る人もいる。そうでなければ、宇宙的に調和がとれないだろう。どの人がすごくて、この人はダメなんてことは決してない。電車で言葉を交わした女性は、もしかしてそう言いたかったのではないだろうか。うすっぺたな私でも自分なりの役目がきっとあるはずだ。極めた人に憧れてもいいけど、自分は自分でいいじゃん。少し年齢的にゆるくなったのだろうか。そう思える自分がいる。