乾麺の冷やし中華が一袋だけ残っていた。まだ暑い夏とはいえ、もう９月。なんとなく”冷やし”の文字がしっくりこなくなってきた。”ざる”も同様だ。今日は食べないといけないな・・・。昼食に２人で食べることにした。きゅうりを千切りにしている時、夏もはじめの頃はせみがうるさく鳴いていたのに、今はしんとしていることに気が付いた。きゅうりも青々しさやみずみずしさがなく、イボも少なくつるんとして旬を過ぎた感じ。切りながらこりゃああんまり美味しくないかもな・・・なんて思う。ハムを切り、薄焼き卵も作る。一本だけ残っていた鶏のささ身も茹でて手でほぐして入れよう。具材ができ、麺を茹で皿に盛り付ける。
夏は冷たくておいしそうって思ったのに、今はちょっと寒々しい。レモン風味もしばらくいいかって思う。ほんの数日で旬じゃなくなった”冷やし”。そのうちスープとかシチューとかの温かいものが湯気を立てたCMが流れ始めるのだろうな・・・。
ぼーっとしていたら夏はすっかり影をひそめ、秋が少しずつ幅をきかせてきている。今年の夏はすごく早かった。一体何をしていたのだろうって思う。無駄に過ごしたつもりはないけれど、何かをやり遂げたかと言えば疑問だ。でも今はそれでいいのかもしれない。いつもいつも成果ばかり気にして追い立てられて世間の価値観に見合うように生きていたら息が続かない。そんななかでも小さな気付きや変化はたくさんあったのだ。何より２人共、低空飛行ながらも去年よりは元気な日が少しだけ多かったことに感謝している。
それにしても、今年はガリガリ君ばかり食べたなあ。暑い暑い夏、バイバイまた来年。
