子供たちの夏休みが始まったばかりだというのに、その日の夕方ひぐらしが鳴いた。2回くらいカナカナカナと効果音のように響く美しい寂しい鳴き声。私と娘はごはんを食べ終わりくつろいでいた時で、びっくりして庭を見たけれどそれっきりひぐらしは鳴くことはなかった。
何かがきっと終わるんだろうなって思った。夏の終わりを教えてくれるひぐらしのように終わりを告げる何か。
終わらなければ始まらないのだけど、そこに一抹の寂しさを感じさせる声。少しの郷愁と新しいものへの期待と不安。娘と2人食後の抹茶アイスを味わいながら自分達の思ったより早い”夏の終わり”を感じずはいられなかった。