なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

忘れて見れた景色

いつもは病院に文庫本なんかを持って行くのに今日に限って持っていない。なぜだ・・・。予想に反してすごい人がいる待合室。

今日はコンタクトレンズを買いに眼科に来たのだが、休み前だからかいつもより人が多かった。

以前はテレビがついていた待合室だが、今はオルゴールのやさしい音色が流れ、テレビのあった場所には花が置かれていた。少し待つかなと思いふっと外を見る。

新緑の季節というのが、ぴったりする。黄緑色の若い葉が太陽の光をいっぱい浴びてキラキラしている。小鳥の声もし、小さなミツバチも飛んでいる。もうすっかり春も春。本やTVを見ていたら気付けなかった景色だ。病院の大きなガラス窓から見える庭。ついこの間まで寒くて体を縮めていたのに、今はこの庭の若葉と一緒で自分も体を広げて窓からの風を心地よく感じている。いつの間にかちゃんと季節は変わっている。

自分が楽しかろうが悲しかろうが季節は巡っていく。下ばかり向いていないで、少し顔を上げてみたら?ときっと誰かが文庫本を忘れさせてくれたのかもしれない。新芽のように柔らかくのびのびと頭も体もしなやかに。

どうせ見るなら美しい景色を見て一日を過ごそう。遠くも近くもあんまり見えていない私だけど今日は自然の美しさをすごく心から感じた。