人生初のイカスミパスタを頼んだ。白い服を着てきたのにだ。
カプレーゼを食べながら、パスタを待つ。モッツァレラチーズ、フレッシュで最高。そんなことを思っていると、パスタが運ばれてきた。
店員さんが「良ければエプロンをお使いください」と渡してくれた。ありがたい。これで安心。
目の前に置かれた、白い皿に盛られた真っ黒なパスタは、もはや闇だった。思っていたよりも黒い。黒光りしている。散らないようにそっと食べてみる。おいしいぞ。にんにくが効いていてとてもおいしい。
夢中で食べていると唇が真っ黒になっていたらしく、母が笑っている。
古のV系のような唇・・・らしい。
服はまぬがれたが、唇は流石に無理だった。丁寧にお手拭きで落としましたとさ。
ご馳走様でした。
何十年か気になっていたイカスミパスタをやっと食べた。なんだか感慨深い日になった。また食べたい。