本当の意味では誰も自分のことを奪えない。傷つけることもできない。だから自分は何も実際のところ失ってはいないのだ。
たとえシンボル的な何かや自分を形作ってきた物質的なものを失ったところで、自分はなくならない。他人にはかわいそうに映ったところで不幸ではない。むしろその逆でなくなればなくなるほど、自分に近づいていける。社会的地位、お金、家族に友達、車、家、洋服など・・・その中のどこに自分がいるのか?どこにもいない。
自分はそんな小さなものの中に収まりきるような存在ではない。もっと広がっていて無限なのだ。そしてもうすでに必要なものは全て与えられていれ不必要に欲しがらなくても十分に幸せなのだ。それをごく自然に無理せずに受け入れられた。今まで小さいなりにも築いてきた色んなものを一つ一つ手放したとき本当に大切なものだけが残ったのだ。
今が一番幸せかもしれない。遠くの心の支えになってくれる人も、娘もいる。それで十分。もう過剰に飾り立てる必要はない。外に向かってではなく、内に開かれていく時だ。