なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

フラワーベースと新しい習慣

小さな花びんを買った。シックな色合いのガラスの花びん。テーブルの端っこに、ちょこんと置けるサイズ感とガラスの色合いがなんかいいなと思った。花びんを買ったからには、花を選ばないと・・・。スーパーの生け花コーナー。種類はそれほど豊富ではないが、生き生きとした季節の花が置いてある。切り花を花びんに生けるなんて、たぶん数える程しかしたことがないと思う。それに、花びんは今日買ったばかりでどれくらいの花が生けられるのかも分からないし、花の大きさや色、高さなど花びんとの兼ね合いもある。ずいぶん長くそこで悩んだが、薄いクリーム色のカーネーションを買うことにした。

私はどうも昔から花びんに生けた花を部屋に飾るというのが苦手だった。鉢植えの観葉植物はよく置いていたし、庭にハーブや花を植えるのも嫌いじゃないのに、なぜか切り花は得意じゃなかった。理由は最近まで分からずにいたが、ある本に答えらしきものが書かれていた。根が張る鉢植えはそこに根付き頑張っていくことを意味するらしい。反対に切り花は何事も曖昧にしがちな家族に常に新しさをもたらすようテーブルなんかに飾るといいというようなことが書かれていたと思う。だから私は鉢植えを好んだのかもしれない。学生の頃は家族が不仲で不安定だったし、結婚してからはこの家庭を大切に守っていこうと頑張っていたから。たぶんどっしりと安定して根付きたかったのだと思う。以前は無意識とはいえ、選んでいた鉢植えから、今は切り花を部屋に飾ろうと意識的に思ったのは、やはり変化したいという気持ちからかもしれない。

あまりに長く慣れきってしまった状況に新しい切り口が欲しかったのだろう。この世の中は、フォームつまり型で出来ているのだから、その型を変えればおのずと今のこの状態も変わってくるはず。小さな花びんだけど、部屋の気のバランスは確実に違ってくるに違いない。

カーネーションはかわいく、テーブルの上を飾ってくれている。新しい花を飾るという習慣は私を変えてくれるはずだ。大丈夫、きっと変われる。