なんだ大丈夫じゃん

イラストと文で紡ぐ母と娘の日々のこと。

奥の部屋の人の言葉

20歳くらいの頃、体を壊し都会から実家に帰って働いていた私に友達が「色々上手くいってないんじゃない?ある所へ連れて行ってあげる」と連絡してきた。小学生の時からの友達で時々電話をくれてはいたが、遊びの誘いではなさそうだ。「まあ、人生いつも上手くいってないけど、何?」と聞くと、どうも私をあるお寺に連れていきたいようなのだ。あやしい所だったらどうしようと思ったけれど、友達を信用して、その週の休日、彼女の車に乗り、そのお寺を訪れた。

朝早くから、たくさんの人が順番を待っていた。私の番になり、当時何を聞いたのか、何と答えてくれたのかは全く覚えていないけれど、無事に終わった。

帰ろうと2人で廊下に出たところ、奥の部屋の扉が開いて、友達に手招きをする。友達は少しその人と話した後、私のところに戻ってきて「一番偉い人が呼んでるから行ってみたら?大丈夫。ここで待ってる」と言うのだ。

言われるままに奥の部屋の行くと眼光鋭いお坊さんが座っていた。先に相談にのってくれた人もお坊さんだったけれど、若くて優しい人だったから、それとは違ってちょっぴり怖かった。座るやいなや私に「あんたは何をやっても満足できん星の下に生まれておる」と一言。心ではそんなことはないって思ったけれど、黙っていた。そんな私の心を見透かしたように色々お説教をされたように思う。そのフレーズしか今では思い出せないけど、その時、「私の人生ってそうなのかな?」って悲しい気持ちになったことは覚えている。友達は私の親との関係や体の事や仕事の事など色々心配して少しでも心が楽になればと連れてきてくれたのだと思うけれど、それとは反対に私の心は重くなった。

頑張ってるつもりです。甘いかもしれないけど、一生懸命良くなるように努力しているつもりです。ただ、いつもうまくいかないのです。我慢が足りないのでしょうか?わがままですか?体力がなくて人並みに出来ないことは罪なのでしょうか?怠けていることになるのですか?今、もし会うことが出来るのなら質問してみたい。「そんな星の下に生まれた私の人生は変えられないのですか?」と。